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British English - イギリス英語


解説


「英語の母国・イギリス」ではあるけれど、アメリカ英語を主体にした英語教育を受けている我々日本人にとって、同じ英語でもイギリス英語というものはちょっと異質に感じられるかもしれない。綴りもcenterはcentreだし、colorはcolourだ。analyzeもよーく見るとイギリスではanalyseとなる(興味のある方はKaren's Linguistic Issues - Differences between British, Canadian, and American Spellingを参照)。

また、同じ意味を持つものでも違う単語が使われるなど、英米両国の英語の違いは大きい。例えば、貴方がイギリス人と待ち合わせをしていたとしよう。貴方との待ち合わせに遅れそうな彼は「携帯電話」で連絡をしてくる。この端末も、アメリカではcellular phoneまたはcell phoneと呼ばれるが、これがイギリスではmobile phoneまたはmobileとなる。待ち合わせの場所はとあるショッピングモールの一階にあるロビー。建物の一階はアメリカだったら日本語と同じく、文字通り"first floor"で通じるけれど、同じ感覚でイギリスのその彼に"I'm on the first floor."なんて伝えたら、合流する事は出来ない。なんせイギリス英語では一階は"ground floor"で"first floor"はその上、「二階」の事を表すのだから。さて、何とか誤解は解けたがそのイギリス人、足を怪我をしていて階段を登る事が出来ない。となると「エレベーター」で二階まで来る必要があるのだが、ここでも語彙に違いがあり、彼らが使うのはelevator(米)ではなく、lift(英)となる。たったこれだけのシチュエーションだけでも、多くの違いがアメリカ英語とイギリス英語の語彙には存在する(これらの地域差に関しても、上記と同じくKaren's Linguistic Issuesが詳しい)。

上述のものは辞書にも載っており、会話でも使われるが新聞などでも見られる列記とした文語でもある。文語でも大きな差異があるのだから、口語のレベルにおいても、この二国間の違いが大きいのは容易に想像が出来る。例えば、当ブログでも紹介しているが、"fag"というスラングが、イギリスでは「タバコ」を意味するのに対し、大西洋の向こう側アメリカでは「同性愛者」といった意味になってしまうので大変危険である。

「BBCイングリッシュ」、「クイーンズイングリッシュ」の枕詞で語られる事もあるだけに、人によっては「綺麗な英語」のイメージがあるイギリス英語だけれども、先述の"fag"といったスラングがあるように、イギリス人だって砕けた話し方は勿論する。それに何といってもイギリスは階級社会で有名。お上は(少なくとも外では)綺麗な英語を話すかもしれない。けれど、バリバリのブロークン・イングリッシュで会話をする社会的階層の人も暮らしているだけに、スラングだってアメリカに負けず劣らず数多くのものが存在するのだ。

また、イングランドに注目が集まりがちだが、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドとの連合王国ということもあり、ゲール語等に由来するものも語彙面では欠かせない特徴。

個人的な話だけれど、同僚の多くがイギリス人の為、最近最も耳にする事が多いのが、当ページで紹介するブリティッシュスラングである。おかげさまで次々と覚えるわけで…。

単語リスト


ace

動画
「タバコが好きです」がとんでもない意味に。アメリカ英語とイギリス英語で同音異義語のスラング、"fag"

音声的特徴


語彙に関するブログでもあるし、また個々の発音に触れていると量が凄まじい事になってしまうので割愛。ここでは特徴的なものに関しての記述に留める。より詳しくはfonetiks.org - British English Pronunciationを参照のこと。

アメリカ英語がrhoticであるのに対しイギリス英語はnon-rhoticであるということが大きな特徴。rhoticとは、簡単に言えばrの音が常に発音されること。一方non-rhoticの場合、母音の後のrは発音されない。heartという単語を例にとってみると、イギリスでは/ha:t/、アメリカでは/ha:rt/となる。下記のクリップでこの音の違いが詳しく説明されている。
但し、イギリス英語でも、/r/のあとに母音が続く場合はこの限りではない(例:fatherの後にandが続く場合)。

また、アメリカ英語の項目で詳しく紹介しているが、米語で顕著なflappingという/t/の音の弾音化がイギリス英語では起こらない。これは、母音に挟まれた/t/の音が日本語でいう[ラ]ないしは英語の[d]に近い音で発音される(厳密には異なる)というもの。例えば、laterの/t/は前後が母音に挟まれているので、アメリカ英語では[レイラー]のように聞こえるが、イギリス英語では辞書に載っている発音記号どおりの[レイター]となる。


古くより階級社会として有名なイギリス。よって発音も、地域差よりも階級差のほうがその違いが大きいと言える。言い方を変えれば、庶民の話す英語の訛りが強いとされる地方においても、高等教育を受けるいわゆる富裕層とされる人達の話す英語はプレーンで、容認発音(後述)に近いとされている。

上流階級の話すものとして、Received Pronunciation(RP、容認発音)というaccentが存在し、教養層、BBCや、ロイヤルファミリーによって使われている。発音など詳しくは下記リンクを参照。
British Library - Received Pronunciation

参考として女王陛下のスピーチを。



RPに対するものとして、イギリス労働者階級のaccentも触れておく。ここでは、代表的なものとしてコックニー(Cockney)を紹介しておきたい。これはロンドンの下町方言で、音声的に非常に特徴がある。

代表的なコックニーの話者である、デイヴィッド・ベッカムのインタビューを。


他、スコットランドやウェールズでも音声的に特徴のある英語を喋るが、とてもじゃないけれど書ききれないのでこれはまた機会がある時に。