適当に前置詞を使っていませんか? | aboveとoverの使い分け・違い



スラングをこのブログでご紹介している事が不真面目だとは思いませんが、学校等でもお話して良いような真面目な英文法・単語の話をたまには書いてみようと思います。スラングからは逸脱しますが、別ブログを立ち上げるほどシリーズ化をするつもりもありませんし、スラングの用法に関連してくる話もあるかと思いますので、何かのついでだと思ってごお付き合い下さい。


さて、先日お酒の席で元同僚のネイティブスピーカーと英語の前置詞の話になりました。前置詞って意外と厄介で、同じカテゴリに属するものの細かい使い分けって難しいですよね。今回はoverとaboveの違いに関して細かく論議を交わしたのですが、そこでのメモ(ああ、なんと割り箸の袋の裏ですよ)や記憶を改めて明瞭にまとめてみました。

大前提:共通点は、どちらも「何かの上にある」といったイメージ。

・overはいくつかの方向に用いる事が出来るが、aboveは"上"のみ。
Over can be used the in the sense of various directions, but above can only be used in the sense of up. Sometimes we use the phrase "You've stepped over the line" which means "You have done something which is considered unacceptable (something which exceeds the normal limits of fairness and politeness)" but we can't say "You've stepped above the line", it doesn't make sense.


日本語で説明する前に、イメージの違いをビジュアライズしておきましょう…

Over = ↑/ →   Above = ↑

上記がベースとなります。


Overとaboveの違いはaboveの場合、アップ/ダウン(↑)というverticalなイメージの時にしか使えないが、overは「通り過ぎた」とか「通り越えた」のようなニュアンスも含まれる。例えば「締め切りを超えていますよ」の場合は先述のアップ/ダウンverticalなイメージに合致しないので「We're over the deadline」は用法上問題ないが、「We're above the deadline」はNG。

overはaboveの「上/↑」の概念も含意しているので、aboveの代役を兼ねる事が出来る場合も多い。


・overの代わりにaboveが使用可能なケースは基本的に「数字」がカギ。
But sometimes both can be used, usually where numbers are involved, like "You're driving over the speed limit" or "You're driving above the speed limit", or "That's over the amount I want to spend" and "That's above the amount I want to spend". In that sense because you're talking about high and low, it works both ways, like I said - up works for both.

数字に関して「高い/低い」を論ずる場合。
例: "You're driving over the speed limit"と"You're driving above the speed limit", 
共に「速度制限を超過している」という意味だが、速度という数字の「high/low」なので、これはどちらも正解。

また、「予算を超えている」の場合、これもお金(数字)の話だからアップ/ダウンの概念がある。なので、英語に訳したら「That's a little above / over my budget」or「That's a little above / over how much I was planning to spend」の様なフレーズになり、共に正解となる。

数字が絡まなくてもaboveがoverの代わりを務めるケースがある。
日本語で「直属の上司を通さないで更に上の人と直接交渉をする」と言うシチュエーションで、これを英語にしたら「Go over someone's head (to someone higher up the ladder)」となる。だが、この場合「Go above someone's head (to someone higher up the ladder)」でも正しい。何故ならオフィスの建物としての階層のイメージが絡んで来てアップ/ダウンがあるから(直属の上司が4Fで更に上の人が6Fというように)。

ついでですが、この「Go over someone's head」という文は二つの意味を持っていて、二番目は「(その人はある事を)ちっとも理解出来ない。」、つまりその人の理解力を超えている。この場合はアップ/ダウンのニュアンスがなく「理解出来ない物」が頭の上を飛び越えていく(↑/→のイメージになる)からaboveは使えなくなるのです。面白いですね。


とまあざっくり紹介しましたがこのような感じです。他にも例文は腐るほど作れますが、本当に紹介し切れませんので、後は上記の基本概念を念頭に置きながら、トライアル&エラーをしてみて下さい。しかしながら改めて、簡単なように見えて前置詞は奥が深いですね。