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O'er - アメリカ合衆国国歌から学ぶ表現

O'er [ɔ:, əʊə][オア/オーア/オウア]

[前][副]
1.=over

所謂詩語と呼ばれるものなので、スラングに分類されるかは意見の分かれるところですが、Twitter界隈だと使用されているのをちょくちょく見かけるのでご紹介致します。

米英の文学に明るい方は別として、多くの英語学習者が古い英語の表現であるこの単語を見かけるのは、アメリカ合衆国国歌Star Spangled Banner(邦題:星条旗)の中ではないかと思います。歌詞を参考に使用例を見ていきましょう。


The United States national anthem sung by Backstreet Boys

1.
Oh, say can you see,
by the dawn's early light
What so proudly we hailed
at the twilight's last gleaming?

Whose broad stripes and bright stars,
through the perilous fight.
O'er the ramparts we watched
were so gallantly streaming?

And the rockets' red glare,
the bombs bursting in air,
Gave proof through the night that
our flag was still there,

Oh, say does that star-spangled
banner yet wave.
O'er the land of the free
and the home of the brave!


説明;
一番の歌詞を抜粋しましたが、この単語が二度登場しています。

O'er the ramparts we watched...和訳:城壁(ramparts)の上に(over)
O'er the land of the free and the home of the brave!...和訳:自由の地、勇者の故郷の上(over)に

どちらも、位置を表す前置詞としての"over"として使われているのが分かりますね。因みにこの後二番以降の歌詞にも登場します。

詩や歌においてはリズムが非常に重要なファクターになるのですが、音節(syllable)という大きな壁が存在し、時に作詞家や詩人を悩ませます。英語の歌の場合規則としては"one note per syllable(一つの音節に対し、一つの音符が割り当てられる)"のが基本となります。

上記のアメリカ国歌でO'erが登場する箇所を歌ってみると分かりますが、o'erの代わりに元々の単語のover[オウ|ヴァー]で歌うと二音節になってしまいメロディーの長さに対して音数が揃わず、調子が狂ってしまうのです。ところが、o'er[オア]にすると、この単語が一音節なのでしっくりはまるんですよね。

「元々の単語の意味を保持しつつ調子を整えたい」…そんな理由から生まれた単語です。

筆者はプロ・アメリカではないのですが、しかしこの国の国歌の歌詞とメロディーはいちいち勇ましくてカッコいいですね。現地で過ごした高校時代が懐かしい…。

例 Some guy just tried to run o'er my feet. 俺の足を踏ん付けて走っていこうとした男がいてさ。